気づけば三度目の桜の時期が近付いて 繰り返す季節に時を感る静かな昼下がり
(なにも考えず好きでいられた頃が懐かしいな。)と感じれば 今も昔も変わらない君の笑顔が瞬時に浮かんできて
終わりにしようと決心する僕を曇らせる。
最近は 「君のため」 とか「幸せにする」とか 口にする度に本当は
全部自分のためだと気づかされることがしばしばで なんだか自分が情けない
君はいつも綺麗に笑う
その素敵な笑顔は 僕を締め付るためのものじゃないのに。
今はそれ以外ほかにないなんて…
「きっと重荷になっているよね?」 自信なさげに自分に聞きただしても
君が優しい顔して笑うほど 僕は安心しては甘えてしまうから…
「いつも笑ってて」なんて言い放った僕は ひどく勝手だった
その笑顔 自分のものじゃなければ嫉妬するくせに
こんな矛盾は説明のできない 「素直な現れでした」 で許されるの?
痛い思いして 凹みきって もう終わりにしよう と決心する度
そうやって君はまた笑うから 追いかけてしまうと思うんだ
繰り返す日々の中で とうとう僕の大好きな笑顔はなくなった。
目を閉じても 記憶の中の君はいつもいつも溢れるくらい笑ってて
それを‘君らしい’と決めつけていた馬鹿な僕は 君の何をわかっていたんだろう?
今さら気づく君の負担や知らない涙
いつも笑う奴なんていないのに
「笑ってて」なんて言ってしまった僕は きっと君を無理に笑わしていたんだね
僕が一番大切にしている笑顔
近くにいたはずの君の悲しささえ抱けずに 他に何を守れただろう
君が誰かの横を歩く時も 君が誰かにその綺麗な笑顔奪われてしまっても
今度は笑顔以上に綺麗に泣ける場所 見つかるように…
僕は何も言わずその手を離すんだ。